世界に誇る国産服について、中学生と一緒に考えた日。

世界に誇る国産服について、中学生と一緒に考えた日。

こんにちは。aiileのディレクター/デザイナーのshokoです。

先日、地元秋田の中学校で、aiile(エイル)についてお話してきました。

授業の後、生徒さんたちからの感想を受け取り、
少しずつ一人一人の意識が変わって、出来ることから取り組めば、きっとこの若者たちと作る日本の未来は明るいだろうと希望を持ちました。

こんにちは。aiileのディレクター/デザイナーのshokoです。

先日、地元秋田の中学校で、aiile(エイル)についてお話してきました。

授業の後、生徒さんたちからの感想を受け取り、
少しずつ一人一人の意識が変わって、出来ることから取り組めば、きっとこの若者たちと作る日本の未来は明るいだろうと希望を持ちました。
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2024年10月某日、aiileの縫製工場がある秋田県大館市(おおだてし)のお隣の市にある
『鹿角市立尾去沢(かづのしりつ おさりざわ)中学校』2年生の家庭科の授業にお邪魔しました。

きっかけは今年の夏、秋田OPAさんで開催したPOP UP STOREで『洋服が作られる工程について』の展示を行ったことでした。


aiile POP UP STORE@秋田OPA 展示の様子( 2024年7月6日-7日 )


それを見に来てくださった先生が、地元で作られているブランドを通して生徒が様々なことを考えるきっかけになれば、とオファーしてくださいました。

事前に先生が生徒さんへ『洋服は何工程くらいで作られていると思う?』というアンケートを実施。

皆さんの予想は、使う材料を決めて、布を切って、縫って、完成!
というのが多かったですね!

正解は…この夏aiileで発売した『サテンシアーMIXワンピース』を例に挙げて、
このワンピースの場合、約200工程もあることを伝えました!

製作に約200工程かかる『サテンシアーMIXワンピース』


200工程の中には、

・デザイン決め

・生地や部品の選定

・型紙作り

・試作サンプルを何回も作る

・生地を切る前の準備(裁断データ作り、生地を重ねる)

・パーツを縫い合わせる前の準備(アイロンや印付け)

・検品作業などが含まれます。

職人に書き出してもらった全工程表と、1枚の洋服に使われる全パーツを巨大パネルに貼って、実物を見ながらお話ししました。

その後、『衣生活とSDGs』という表題から、
ファストファッションの裏側で起こった悲しい事故にまつわる映画の予告編をみんなで見ました。


■映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』
https://youtu.be/tR5giBWTPX8?si=2CxbLh-cYX4tKO4P


安すぎるものの裏で、何かが犠牲になっていないかな?と考えてみることの大切さ。
洋服に限らず、物を消費して生きる私たちにとって非常に考えさせられる内容でした。

aiileとして取り組んでいること、国産服の現状についてもお話ししました。

良いものを長く大切に使うことは、環境にも良いということ。
生地の端を再利用して新たな製品に生まれ変わらせる取組み。
現在、国内の国産服が約1.5%しかないということ。

そして皆さんからの質問にお答えしたりして、授業を終えました。

尾去沢中学校の生徒さんは、最初は緊張した面持ちでしたが、とても集中して授業に参加してくれました。

文字数の関係から、一部生徒さんの感想をご紹介します。

この授業を受ける前は、服の表面的な部分しか見えていませんでした。「この服かっこいい」「安い」というような、ただの消費者の視点しかありませんでした。
でも安いのには安いなりの理由があって、洋服の裏側を知れたいい機会でした。一番驚いたのは、日本製の物が1.5%しかないことです。日本製のものは海外からの評価も高いので、もっと増えていけばいいなと思いました。

 服を作る工程は、3つぐらいで終わると思っていたけど、200もあって驚いた。縫製工場の事故や日本で作っている服は1.5%と低いことを初めて聞いた。
大人になって服を買うときは、なるべく日本のもので、自分が長く着たいと思うものを買うようにしたい。今日の授業を通して、服を作る人の苦労を知ることができた。

授業前は、日本だけで作られた服は全体の60%ぐらいだと思っていたけど、1.5%と聞いて驚きました。
服を買うとき、すぐ着れなくなるからと安いものを選んでいました。身長が伸びるのが止まったら、好みのブランドなどから選び、高くても長く着続けられるようにしたいです。
服作りには、作り始める前にもたくさんの工程があるということを知れました。ほんの少しのミスでも販売ができなくなるのはもったいないと思いました。
服が小さくなって着れなくなった時は、小物にリメイクしてできるだけ長持ちさせられるようにしたいです。

ありがとうございます。全員分ご紹介したいくらい、皆さんが素敵な感想を送ってくれました。

真っ直ぐ素直で聡明な生徒さんたちです。

国産服がこんなに少ないって悲しいですよね。大人でも知っている人が少ない現実です。

でも今の中学生がまずそのことを知り、物が作られる裏側を考えながら取捨選択でき、自分の国の技術に誇りを持てるようになれば‥

そんな若者が増えていけば、未来は明るいかもしれないと感じました。

ファッションデザインの道を志している生徒さんもいましたね。10年後お仕事でご一緒できることを楽しみにしています!私で良ければいつでもご連絡くださいね。

 

鹿角市立尾去沢中学校2年生の皆さん、先生方、この度は貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。

またお会いできる日を楽しみにしております!

※鹿角市立尾去沢中学校様に掲載許可いただいております。